樹海の夜/ホロウ・シカエルボク
 

少なくとも
今は
この時間は


表通りが沈黙する
あいだに
様々な
イメージの羅列
樹海に
乱立する木々のように
あちこちから
でこぼこに…


たぶん
足を取られて
おれは転んでいるのだ
磁石が壊れて
行く先が判らないのだ
途方もない沈黙が
この世を半分嘘にする
生きてることは騒ぎだ、なんて
ほんとはそんな意味でもないけど


足元の土すら
感じる気がする
そこで朽ちた誰かの
思いのように
靴底に張り付いては
はらはらと落ちていく土の


おれは眠りながら
この詩を書い
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