松島やと猫語とパクリとボルヘスと/佐々宝砂
る。私は借り物である言葉を、私の好きに配置する。その「配置」の加減が私のオリジナリティなのであり、実はこの考え方も私のオリジナルではなく、ベンヤミンが主張した「星座」の概念に酷似している。私の詩に「星座」という言葉がでてきたら、お空の星座ではなくてこっちの「星座」であることが多い、しかしそれはここでは余分な話。
私にとって、世界のすべてはパクリである。あるいは、世界のすべては(パクリと呼ばれるものも含めて)オリジナルである。
と、ここまで書いてこの文章を終わりにしてもいいのだが、ホルへ・ルイス・ボルヘスのある小説について書いておきたい。ボルヘスの代表的短編集『伝奇集』に収録された「
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