世界の瞬間/yamadahifumi
るのは透明な君ではない
君は今、詩的言語を覚えた所だ
語るに最も適しない、そうした言語を
だからこそ君は沈黙に似た真実を
この世界に 花瓶に入れた花のように
コトンと置くことができるのだ
君が一線を越えたその後、世界は
君の沈黙に見舞われる
人々は相変わらず他人共の言語で語り
他人達の衣装を身につけ
世界を自分流に飾り付けるが
それでも君や僕という陽と月は
あの空を照らし、照らされる
君は僕の言葉を聞きたまえ
僕の言葉は、君の魂のように
少しは美しく、真実を全うするだろうから
そして世界のゆりかごの中、僕らは
月と太陽のようにいがみあい
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