世界の瞬間/yamadahifumi
 
あいながらも愛し合いもするだろう

人々の中に変わらぬ世界があり
僕達の中に変転する世界がある

詩は分からぬと人が言い
僕達が詩と音楽を奏で そして
世界は一編の朝に似ていく ベルリオーズの微かな旋律が
朝陽と朝陽の間から立ち上っていく
世界は今終わり、また始まった

「終わる」「終わる」とほざいている人々の死体からも
一つの花びらは天に昇る

さあ、言葉を失って世界を終わらせよう
もう一つの新しい世界の顕現へと
僕達自身を導くその瞬間のために
戻る   Point(3)