世界の瞬間/yamadahifumi
眠れない夜は
魂が離散しているのだ
言葉をかき集めて
ほんの少しの灰を作る
それで暖をとる事も可能だろう
全てが生成と消滅に見舞われている現在では
君は今、言葉を覚えた
詩的言語という
語るには最も拙劣な言語を
君は日常会話の中にも
棘を差し挟む だからこそ君は
この世界を越えても生きていけるだろう
世界の一線を越えたまえ
そこには君の見た事のない夕陽と美しい朝陽が
交互に消滅と生成を繰り返す場所
君は陽となり夜となる
君は照らし、また照らされる
「今ここ」という場所を越えたまえ
現在の彼方は未来ではない
君の奥にいるの
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