香水のようなもの/フミタケ
いつしか
君にとって
音楽は
香水の
ような
もの
に
なってしまっ
た
道の端っこと端っこに
老人と幼児
水たまりをはねて
きみの車が通り過ぎる
夜に降り注ぐ
椅子に座ってしか観たことのない場所のニュース
に鈍い感覚
をさましながら
きみは
ただただ言葉とスコッチを吞み込んでいつの間にか
消えた
歩いて
歩いて時には走って歩きつづけてその先に何があるの
うたかたの
夢のように最後には死んで、実像は平等に
忘れ去られるの
ひとつひとつの行動に何かの意味をこじつけてでも見いだして
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