香水のようなもの/フミタケ
 

漂っているのか
すすんでいるのか
考えるのはとっくにやめた
誰かが誰かにひたすらに何かを語り続ける
自分の
物語を
語り続ける
口は動いているけど声は聞こえない
人は自分の聴きたいことだけに耳を傾けるもの
誰の気持ちも
誰にも届いてはいない
賢者が大勢集まっても世界はずっとこの有様さ
可愛いアリサは100円ショップで生活の糧をえる
青春を先週終わらせて
もうずっと
長い間なくしていた
あの気持ち
それは記憶の中だけが置き場所だって
本気じゃないだろう

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