スティル・ライフ/ホロウ・シカエルボク
 
たとえればいいのかわからないが
たしかになにかの決着がつくことを感じたりするのだ
おれは聖者になんてなりたいと思ったことすらない
あいつらは痛みの無い場所であくびをしているだけだ
数かぎりない連中に鉈を振りかざし
やがて鉈は人間のかけらで出来が悪くなる
おれは鉈を捨てて拳をつかう
あとのことなど考えずに全力で
殴る、殴る、殴る、殴る、殴る、殴る
かたいものがやわらかくほぐれてくる
おれの着ているシャツはもとの色がわからなくなるほどに赤く染まり
そして関節は衝撃に負けてグラつきはじめる
そう簡単に殺せる武器などありはしない
殺そうと思えばかならずそ
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