田村隆一詩集 現代詩文庫を読む/葉leaf
。ところが、彼が18歳のときに太平洋戦争開戦。1942年、彼が19歳のとき、鮎川、中桐が陸軍に応召され、森川が戦死します。年長の文学仲間が相次いでいなくなり彼は孤独を感じます。そして、1944年、21歳のとき彼も海軍に配属されます。開戦のとき、彼は「もうおしまいだと思った」そうです(「「若い荒地」を語る」より)。いくら戦後の10年が明るさを目指していたとしても、田村はいつまでも「夜」としての戦争体験を引きずっていた。だから彼は単純に「四千日」と書かずに「四千の日と夜」と書かざるを得なかったのだと思います。
さて、話を元に戻しましょう。四千の日と夜の逆光線や愛や憐みや想像力や記憶を殺すとはどうい
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