田村隆一詩集 現代詩文庫を読む/葉leaf
 
に立つようになります。1955年には、自由民主党と日本社会党が成立し、保守・革新の二大政党を軸とする55年体制ができます(以上、中村政則『戦後史』(岩波新書、2005年)参照)。このような社会的状況の下で、『四千の日と夜』という詩集は書かれ、そして、詩集のタイトルともなった、上掲した「四千の日と夜」に言う四千日とは、このような政治的な激動とその社会的反映に彩られていたのです。
 まず、「日と夜」というのは、昼と夜、あるいは一日と夜という具合で、結局一日のことを表します。だったら、「四千の日と夜」などと言わずに簡単に「四千日」と書けばよかったのではないか、という単純な疑問が起こります。ところが田村
[次のページ]
戻る   Point(7)