くつ下/ヨルノテガム
 
して たまに先を閉じ足に履いて
進み歩くもの。

くつしたよ、お前は何を見たんだ?




(アン、アン、ダメぇ)

(くつしただけ履いたまま くぱぁ しちゃうぞー )

(アン、バカ、ダめぇぇぇ ぁっぅ〜〜っ〜! )


その、くつしたは考えていた
帰って来たもう片方とともに考えていた
もし 津波や天災、人間の悪をあらかじめ予見予知
できていたとしたら、被害は抑えられたかもしれない
この被害というのは精神的ショックを主に見据えて
いるのであるが 
くつしたは思う われわれはちっぽけだ
人間の負の歴史と切り離して生きていた
汚れ汚く、ずる賢い、生存競
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