喀血するリリックの落ち窪んだベイビー/ホロウ・シカエルボク
 
える、なあ、ハムノイズが聞こえる、ハムノイズが、ハムノイズが…それは胎動のようなものだ、俺は胎動を記憶しているアナログな記録装置だ、そしてそれを、なにか別のものに変換しようとしている、その目的が判るか、その動機が…俺は定められたもの以外の自分の名前を知りたい、定められたもの以外の自分の遺伝子を知りたい、定められたもの以外の自分の脈動を知りたい、肉体を脊髄からひっくり返しても絶対に見つけることの出来ないようなものを…俺は昨夜、ほとんど眠らなかった、だから今夜は、早く眠るつもりだった、だけど俺の中にある至らないものは今夜それを許してはくれなかった、真っ白のスペースを俺はキーボードで埋めてゆく、この羅列
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