喀血するリリックの落ち窪んだベイビー/ホロウ・シカエルボク
 
ことは出来ない―俺はそのたてがみの速度を記すべきだと思った、可能な限り、スピードを合わせて…押さえる必要などはなかったのだ、速度を上げて、もっと、もっと…いま思えばそれがきっと、幼いころから俺が耳にしていたノイズの正体だったのかもしれない、なあ、聞いてくれ、聞いてくれよ、俺は真っ当な不具合だ、そのことには間違いがない、そして不具合のまま生きようとしているんだ、身を投げ出して…絶対に解きほぐすことの出来ない縺れた糸だ、そして俺は、それを諦めようと思うことがない―それが俺のパフォーマンスであり、それが俺のエンターテイメントだった、それはこれからもきっと変わることがないだろう、なあ、ハムノイズが聞こえる
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