喀血するリリックの落ち窪んだベイビー/ホロウ・シカエルボク
 
、全身に嫌な汗をびっしょりとかいて…季節が移ろいでいる、ベイビー、季節が移ろいでいるんだ、小さなハムノイズを立てながら…指折り数えていたのはなんのための祈りだい、きっと誰にも言えない種類の祈りだ、こんな時間に暗闇の中で折られる指は―小さなハムノイズの音は延々と続いていた、思えば生まれて初めて音を耳にした時からずっと、あらゆる場所で、俺はそんな音を聞いていた、だから、当り前に聞こえてくるものがあまり聞こえてこなかった、一度で聞こえることを何度でも聞き返した、そうしないと何か聞き漏らしている気がして…それはどこかで何かが立てる音ではなく、また現実でも幻想でもない所にあった、あると思わなければ?あると思
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