タケイ・リエ小論/葉leaf
いはなだめられむさぼるた
びに抜けてくる皮膚を省略されたまま叫ぶわたしを囓っ
ても囓っても潰れない身にほぐされかんじるまま剥かれ
ることよ」
「karman」
タケイが重視しているのは身体感覚である。なめされたり囓られたり潰れたりする身体の感覚である。身体というものは、思惟や自意識や意志にとっては、ある程度の他者性をまとったものである。身体というものは、その可動領域が制約されており、また動かし方も制約されている。そして、身体感覚というものも、視覚とは違い、それほどの明瞭さを備えていない。ところで、タケイの詩に現れていた、自己同一的でなく、連続的でもなく、統一されてもい
[次のページ]
戻る 編 削 Point(9)