タケイ・リエ小論/葉leaf
 
消えたりせずに在り続けるということである。「統一的」とは、ひとつの原理によって秩序づけられているということである。
 そして、近代における自我は、個人内部において凝集するというベクトルと、社会によって要求されてくるというベクトル、その二つのベクトルによって形成された。一方で、自己というものを統一した原理で把握しようとする、人間の理性的・体系的な志向により、自我がまとめあげられる。他方で、自由や責任の主体・帰属先として、社会的な役割をしっかり果たすものとして、個人の自我の確立が社会の側から要求される。

うっかりあなたを産んで 深く
思われなかった連打にむしばまれ
黒く焦げつくとき
まっ
[次のページ]
戻る   Point(9)