ミナモ/mugi
りにまき散らした、
◆10
ある朝キミは、あの砂浜のみわたすことのできる、小高い丘のうえに咲く一輪のひまわりだった、もう
すでに枯れかけていて、ボクは、とおい国でおきた大きな地震のことや、あれからできたボクの子供の
ことをキミに話した、なぁ、もし迷惑じゃなければだけれど、そこまで口にして、ふと空をみあげる、
飛行機雲がYに分岐していて、風はすこしもなかった、つう、と汗が首すじをつたった、キミがボクの
子供に名前をつけてくれないか、性別はまだわからない、オトコノコにもオンナノコにも、どちらにも
馴染むものを、するとキミは頭をたれて、自らの種子をぽろぽろと地面にば
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