ひとでなし/HAL
 
きみはひとの途を
きみはひとの絆を
きみはひとの義を

いつも見下す目線で見ている
だからだろうね

きみはいつも憤懣を抱える
きみはいつも逆鱗を覚える
きみはいつも偽善を責める

ぼくはそんなきみを見ていて
いつも可哀想だと想っている

憤り 激怒し 偽善を憎む
それってほんとうに正しいことなのだろうか
それってほんとうに幸せなことなのだろうか
それってほんとうに賢明なことなのだろうか

余りにきみは虚しい
余りにきみは憐れだ
余りにきみは愚かだ

ひとの世界を断罪することばかりで
ひとの世界の短所を見ることだけで

きみは自分を護っているとし
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