なにもかも叩き壊された場所/ホロウ・シカエルボク
 
な建物の窓に、洗濯ものが干されてあるのを見つけたんだ…それは朽ちてはいなかった、今日洗濯機で回されて干されたものだった、太陽の光を受けて輝いていた、俺は深呼吸をしてあたりをゆっくりと見回してみた、その家の対角線上に、やはり僅かな洗濯ものを干している小さな家があった、住んでいるのか、と思った、こんな、なにもかもが叩き壊されたみたいな土地の端っこに、そんな小さな家の中に…俺は途端に寒気のようなものを感じて原付にまたがり、エンジンをかけてそこを出た、あの窓の中―あの不思議なほど真っ暗な窓の中には、誰かがいたのだろうか?誰かがそこに居たのならば、俺が来たことには気づいていただろう、そして俺がすることをずっ
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