なにもかも叩き壊された場所/ホロウ・シカエルボク
ずっと見ていただろう…誰の声も、誰の気配もしなかったけれど、間違いなくあそこには誰かがいただろう、と思った、そして、俺がすることをずっと見ていただろうと…あの時は、そう、なぜそんなところに、と、そんなことばかりを考えていたのだけれど、最近になって、時々さ―あそこで窓の中の暗闇からなにかを見てる俺の姿を見ることがあるんだ、そして俺は、そこに居る俺がどんな気持ちでそれを眺めているのか、なんだかとてもよく理解出来る気がするんだよ、なにもかも叩き壊された場所、なあ、なにもかも…
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