あざみ嬢の物語/田園
 
、わたしは女よ。」

「だったらそんな鎧を着ていてはならない。女の人は輝かなきゃ。」

「でもわたしはあざみ嬢。刺々しい外見は、人を傷つけるの。みんな言うの。あの子に近づいちゃだめよって。」

「もったいない。あざみほど深い紫をきらめかす花はないというのに。

 そうだ。僕と友達になろう。だからその着込んだ無粋なものは脱いでおくれ。」

「ツバメさんを傷つけるわ。」

「そんなことない。君はきれいなんだ。」

あざみ嬢はしばらく考え込んで、鎧を脱いでみた。

そしてツバメの顔色をうかがってフード、麻を脱いだ。

「ほら、やはり君はきれいだ。君は
[次のページ]
戻る   Point(3)