あざみ嬢の物語/田園
、わたしは女よ。」
「だったらそんな鎧を着ていてはならない。女の人は輝かなきゃ。」
「でもわたしはあざみ嬢。刺々しい外見は、人を傷つけるの。みんな言うの。あの子に近づいちゃだめよって。」
「もったいない。あざみほど深い紫をきらめかす花はないというのに。
そうだ。僕と友達になろう。だからその着込んだ無粋なものは脱いでおくれ。」
「ツバメさんを傷つけるわ。」
「そんなことない。君はきれいなんだ。」
あざみ嬢はしばらく考え込んで、鎧を脱いでみた。
そしてツバメの顔色をうかがってフード、麻を脱いだ。
「ほら、やはり君はきれいだ。君は
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