閉まるドアと開くドア/ホロウ・シカエルボク
駐輪場で
ニキビとヤニにまみれた糞餓鬼同士がひどい喧嘩をしてた
加減知らず、ルール破り
あいつらはもしか明日の新聞を数行埋めるかもしれない
ああ、くそが、ころすぞ!短いディレイがかかって
アーチした屋根で汚い声がアクションする
たいして美味くもない
珍しいパンを売っていた店は早々に潰れた
貸、とでっかく書かれた札が
自動ドアにかけられて
風に遊ばれて傾いていた
がらんどうの
まだ新しい店内では
死んだ希望だけがぶつくさ言ってる
たいして美味くはなかった
いまじゃすっかり見かけなくなった電話ボックス
このあたりじ
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