すべては砂のようにそこら中にあって/ホロウ・シカエルボク
ああ、めんどくせえ。
蒸し暑い。せっかくシャワーを浴びたのに、座るそばからいやな汗が身体から滲みだしてくる、内臓のいちばん悪いところから滲みだしてくるような汗、もしかしたら内臓から死に始めているんじゃないかなんて、そんな風に考えてしまう、汗。とくにこんな気分の夜中にはね…おれは膝を抱えている。眠ろうと思えば眠れるかもしれない、だけど、もしいつものように眠れないのなら、こうして何かを書いている方がずっとましなのさ、少なくとも、まんざら無駄でもなかったと思えるからね。自分の書いているものを無駄なものだと思ったことはないよ、だからこそこうして続いているんだ。美意識と関係ないところにお
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