影の街/佐藤伊織
もまばらだった
共形場の計算にすでにノートの半分は使ってしまった
昨夜は面倒な演算子展開の計算を
数時間にわたってやっていたのだった
「」
「ヨシオはどの教科にも対応していない」
隙間から吹く風に誘われるようにヨシオは歩いていた
解答用紙の上は真っ白い草原だった
「」
識別する
隙間を作り
そこに入っていく
眠りを催す猫の吐息
あれはボクのイエが反射されて光っているのだ。
先生
入ってもよろしいでしょうか。「どうぞ
「粉々に割れた硝子窓を見て
」綺麗
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