誰にも決められることじゃない/ホロウ・シカエルボク
 
は決められていることだった、おれは自分で何かを考えることが苦手だったから、そんな風に決められたことを遮二無二やってる方が楽しかったんだ…だけどある日、突然顔も見たこともなかった男がここに顔を出して、もうここは停止することになった、と言った、おれは何も考えられなかった、数日中に荷物をまとめて引き払ってくれ、と男は言った、おれはぼんやりとそうですかとかなんとか言った、新しい仕事が見つかるまでは家族サービスでもしてやるといい、男はそう言ってけっこうな額の金をおれのポケットに滑り込ませた、いままで見たこともないような額だった、おれはその日自分でもどうしたいのか判らないまま、すべての動力を止め、配電盤を切り
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