誰にも決められることじゃない/ホロウ・シカエルボク
仕方がないなと思ったよ、だけどおれの家族だ、おれの家だ、おれと神様の前で誓った女とその娘のいる家だ、おれは休みの間そこで過ごすつもりだった、だけど二日だけ居てすぐに出てきてしまった、休みの間この横にある職員宿舎でじっとしていた、街で買いこんできた酒を飲んで、糞つまらねえ雑誌のページをぱらぱらと捲ってさ、これでいいんだ、と思った、いつかは変わることがあるかもしれない、それとももうこのまま変らないのかもしれない、それは絶対に判らない、ならばおれはここで彼らのことを思いながら生きることに決めた、家族のために金を稼ぐことに決めた、だからこれでいいんだ、これでいいんだってずっと考えてた、考えているうちにいつ
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