誰にも決められることじゃない/ホロウ・シカエルボク
っとそれは正しいのだろう
何故か判らないことをおれたちはたくさん抱えているのだから
誰も触れることの出来ない窓から
早い午後の陽射しが流れ込んでいる
それは
現実に差し水をしてるみたいに見える
建物のせいなのか
おれのせいなのかはよく判らない
でかいタービンのようなものを回って
建物の奥にポツンとある机に向かう
どこにでもあるなんの変哲もない事務机
でもそれは時の万人のような顔をしている
鍵のかかる引き出しには鍵がかかっていない、すなわちもう終わっている事柄
引っ張り出すと30年は前の日付の小さなノートがある
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備忘録のような
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