誰にも決められることじゃない/ホロウ・シカエルボク
たいな鳥が鳴いている
空は晴れているがそこらに
昨夜の雨の名残が隠れている
ガラスというガラスはひとつもなくなるまで破壊され
歩くたびにシェーカーのような音がする
それはきっと鎮魂歌だ
失われた風景の中で鳴る音はみんな
柱の側の水溜りには
血のような赤が混じっていた
鉄錆だろうか
知らない間に足はそこを避けていた
犬の死骸があった
僅かに体毛を残した白骨
いつだったか写真で見たジャック・ラビットみたいに
あらゆる美と醜悪がそこにはあった
ハロー、ハロー、死んでどれくらい経つ
ハロー
肉すら臭わなくなってもうどれくらい経つ?
そ
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