詩亡遊戯/ホロウ・シカエルボク
 
と論じたがるのは、若さにしか価値を見いだせない年寄りの執着のようなものさ…春だというのにうんざりするくらいに気温は冷えて、おれは尻に根っこが生えたようにずっと座っていて、窓を覆うカーテンをひと時も開くことはなかった、今日はあるべき光を目にしないまま終わるだろう―おれはおれであることを忘れ、それがなんの関係もなくなるようなものを書きたいと思った、いや、実際のところ、いまでもそう思っている、その思いは決して脅迫的に囁いたりはしないけれど、確固たるものとして胸中に転がっている…いつでも、どこでも、おれ自身が先に来る程度のものならそんなものは投げ出してしまえばいいのだ、そんなものならわざわざキーボードを叩
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