禁煙宣言しようかな宣言/風呂奴
鍋に汲まれた大きめの水が、ふつふつするのを待つため、また煙草を吸う。そのあとで麺が茹で上がるのを待つから、また煙草を吸う。台所を出たり入ったり、むしろ煙草のためのパスタじゃないか!、なんて思ったフリをしながら、レトルトのミートソースをもう一方の鍋に入れ、温まるのを待つから、また煙草を吸った。
「茹で上がるまで」
茹で上がるまで
煙草に代打なんか出せやしない
本を読むには短かすぎる
バイトのシフトは考えたくもない
歌なんか口ずさんだら麺がのびる
夕暮れ時、いつもの定位置に高々と落ち着く明星
について思いつめても
すぐに渋い顔して、煙草に火を点けてるに違いない
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