禁煙宣言しようかな宣言/風呂奴
 

「煙草やめたいから、早く茹で上がれよ麺!」
なんて理不尽な台詞だけが
毎日のように、沸騰しながら 
なのに決して蒸発しないお湯のように
生活から湧き出てしまった

こんな生活、茹で上がってしまえ!



空いた皿は、ミートソースにまみれている。
フォークですくって舐めてみると、冷たい酸味にうんざりする。
誰にも覗かれない真夜中の茶の間、古い映画を観ながらの食後の一服は、茶の間の主人をおおいに気取らせる。
映画の主人公だって、煙草を吸っている。
寝床についた祖父もまた、煙草を吸っていた。
大学で神学を教えている教授に、大学の喫煙所でばったり出会したこともあった。

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