言葉は生きている/まーつん
゛ただの気休め゛
…そうだろうか?
生みの苦しみ あるいは
血を流す心の指先が 意識の壁に残した 感情の血痕
その 斜めに引きずるような
ロールシャッハ・テストの 謎めいたシルエットの様な
深紅の領域が 蟻の群れの様に あるいは 蛆の群れの様に
うごめき のたうつ 文字の 一匹 一匹となって
頭の中の小部屋の 壁紙の上を這いまわる
君はそれが気になって 紙の上に 吐き出してしまうまでは
安らかに 眠ることさえできない
だから真夜中 机の前に腰かけ 逃げ回る文字を捕まえては
開いたノートの上に ペン先で釘づけにしていく
そう もしかして
言葉は本当
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