シェイクスピアの遥かな偉大さについて/yamadahifumi
 
スピアの作品に出てくる登場人物は人間というよりも、人間の内奥に秘せられた魂に辛うじて人間の外観を施したものであり、だからこそ、シェイクスピアの作品には悪霊、亡霊、幽霊、魔女や妖精達が表れ乱舞し、それが何の違和感もないどころか、登場人物の方さえもそうした妖精や悪霊達に姿形がそっくりになっていっても、何の変哲もなく我々は読むことができるのである。
 我々の人間世界の内における真理とは、我々の内に内蔵されている。それは我々の内に隠されていて、そして結末すらも予想できる事を可能にする真理かもしれない・・・。シェイクスピアの目には人間とはもはや既知の存在であった。彼は、自分達が賢いと考えながら、愚かな行動
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