連続する増幅、扁桃腺の様な幻/ホロウ・シカエルボク
にも、外にも、騒ぐものが何もない日に…諦観によって組みふされたみたいな、そんな夜に。それは勝手に生まれて勝手に死んでゆく砂山に似ている。もしも永遠が欲しいなら儚いものになればいい。回転している扁桃腺は天井の隅で動きを封じられて小刻みに震えるだけになっている、あれの正体を知りたいか?俺は知りたくない。あれはたまたまここに現れただけの無意味な概念だ…出会うもの全ての名前を覚えるわけにはいかないということを覚えておけばそれでいい。そんな幻が現れない日は、俺の観念的な側面だけが、操車場で向きを変える車両の様に回転していることもある。そんな日には俺はあたりにある何もかもをいいかげんに認識してしまう。いつまで
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