連中/ホロウ・シカエルボク
はまるで楽しい宴のようだった、誰も、誰ひとり浮かれたことなど口にしてはいないのに…はははは、と、楽しげに…いや違う、奴らは俺を笑っているのだ、俺のことを…俺はムカっ腹が立った、俺はやかんで湯を沸かして、熱いそれを、奴らの輪の方へぶちまけた、あああ、ひいい、という悲鳴が聞こえて…俺の周囲には荒れた部屋だけが残った
俺はひどい火傷をおっていた、左腕の皮がべろべろに剥げ落ちて…桃の身の様なものが露出していた、ああ待て、と思った、俺は熱など感じなかった、これが本当のことなのかどうか判らない、俺は熱を感じなかった、なにも…ただあいつらを追い払いたいと思っただけなのに…俺は悲鳴を上げる、火傷のせいではない
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