欠伸/ホロウ・シカエルボク
日は外に出なかったから
外で起こってることなんかどうだっていい
喉仏のあたりでじりじりとした感触が始まる
おんぼろの給湯器でインスタント・コーヒーを作る
この給湯器は
最高温度で湯を出すとあちらこちらに撒き散らす
熱くし過ぎないように気をつけながら操作しなければならない、そう
ロックンロールを歌うときと同じ処置
インスタント・コーヒーなんかで
喉の渇きは癒せないよと俺の中の野次馬が言う
お前は関連というものについて
もう少し考えてみた方がいいと俺は答える
喉が渇いていたから
コーヒーを入れたわけじゃないんだ
夕刻は一段と素っ気なく
路面電
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