蟻殺しのアリエッティー/和田カマリ
えば、やはり、口をポカンと開けて、明後日の方向を見ながら、鼻糞をほじくっていましたが、やがて、まさにその指で、陰部をまさぐり始めました。
不思議な事に、僕は両親に淀みなく、妖精さんのプロフィールを語ることが出来たのです。彼女とは、一度も込み入ったお話をしていないにも拘らず、その人となりが手に取る様に判ったのでした。
彼女は普段、我が家の門に住んでいて、この家の者達が害虫の脅威にさらされた時には、命がけで駆除をしにやって来る、この地域NO1のハンターなのでした。それもこれも当家が、一流の門構えをしていたからの事です。祖先に感謝するばかりでした。一流は一流を知る、自然界の鉄則なのです。
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