れんげ/ピッピ
 
、全部知ってほしかったんだ」

と言った。それから少しして、わたしが出てきた

映像を見たらなぜだかはじめてれんげをさわったときの感触を思い出した

数日連続の雨で冷えきったれんげの身体はなぜだかとてもいやらしかった

れんげは腕の中で抵抗した。やっきになって、いつまでも

でも、家についたら大人しくなった

床に散らばるバスタオル

「なんでさっちゃんは、お父さんやお母さんに一言も話さないで僕を連れてきたの」

「えっと…少し前まで、いたんだよね、れんげみたいな猫が、うちに」

「飼ってたの?」

「いや、なついてた、よく家に着てた。でも死んじゃった」

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