れんげ/ピッピ
いま、映るよ」
そこにはふたりの少年が、れんげのしっぽを思いっきり引っ張って
挙句の果てに空中で回しているシーンが映っていた
「ひっ」
よく見たられんげの肌からは血が滲んでいた。笑い声が聞こえた
「これ」
「うん。さっちゃんが拾う、五日前」
「こんな」
「うん。で、次の日」
女の人が映った。ダンボール箱を抱えて
「死にそうだったよ」
小さいれんげが、ごみ箱を漁る、雨の中で
「…」
わたしはすっかり黙りこくってしまい、泣きそうになりながら
れんげの顔を見た。れんげは、少し困った顔をして
「ごめん。でも最後に、全
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