去年の駄文1 携帯電話と袋小路/佐々宝砂
しい。
なので私は、一生懸命生きてる楽しみを数え上げる。お茶をのむこと。コーヒーを飲むこと。気が狂いそうにあつい夏の一日に、泳いで泳いで泳ぎまくること。もぎたてのキュウリにかぶりつくこと。本屋から買ってきたばかりの新刊バリバリの本を読むこと。前には常連だったスナックで朝までわけのわからん議論をすること。しかしそうした楽しみには、おおむね、金がかかる。わたしは楽しむために金を稼ごうとするのだろう、自分の金で喰ってゆきたいからなんて上記の答は嘘で、やっぱりただ、私は遊びたいのだろう、楽しく暮らしたいのだろう。人生の要不要なんて、たぶん、考えない方がいい。
そうそう、読者を心配させないために
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