去年の駄文1 携帯電話と袋小路/佐々宝砂
 
ャップをはめる。私の知識は腐る。無用だから腐る。

ときどき、私自身が無用な気がしてくる。
なにもかも、とてつもなく、無意味だと思う。

なんのために軽帯電話を組み立てているのだろう。金が要るからだ。なんのために金が要るのだろう。自分の金で喰ってきたいからだ。なんのために喰うのだろう。喰わねば生きてゆけないからだ。なんのために生きているのだろう。ここで私は答につまる。生きている理由なんかわかるか。死にたいと考えるくらいなのに。工場仕事と詩を書くくらいしか能がなく、使ってもらえず、必要とされず、とてつもなく自分自身が無用だと思うのに。だが、ともあれ私は生きていて、生きてゆかねばならんらしい
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