去年の駄文1 携帯電話と袋小路/佐々宝砂
 
(携帯電話を作っていたころの文章です。今は掃除用パッド作ってます)

そんなにこんがらがってるわけではない。話は意外にシンプルだ。私はいま、要するに、ひたすら、経済的余裕がない。簡単な悩みだろう(笑。まあ喰うには困らないよ、結婚してるし、びんぼーとはいえ夫には食うに困らないだけの金はあるし。でも夫の金は夫の金だ。私の金じゃない。

私にろくな職はない。35過ぎて事務経験がないから、私にできるのは、工場の仕事ばかりだ。あと、せいぜいがコンビニの店員だ。工場の仕事は、嫌いではない。それは、できたものが目に見える。そうして、即、金になる。報酬は少ない。それでも、報酬はある。私は贈り物がほしいわけ
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