器官なき身体の覚書/イリヤ
いう視点から、たとえ遊牧民(ノマド)を語るときでさえ。欠けているのは歴史に非対称的に対立する遊牧論(ノマドロジー)である。エクリチュールは十字軍が錯乱するにしたがって踊りはじめ、戦争機械と逃走線に合体し、ロジカルな国家装置と定住性を放棄する。これこそまさにリゾーム的エクリチュールの一例である(アルマン•ファラシ『分解』)。
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フロイトは真実に触れようとして通過し、空白の部分を連想で埋めるという点で天才である。あまりにも“固有”である名詞の“狼男”はフロイトからはなれようがルースやラカン、ルクレールにかかりつづけることになる。フロイトの言うには神経症患者は対
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