器官なき身体の覚書/イリヤ
けるためである。二元論は二元論から増殖する。捉えるべき経緯はすべての二元論を経由しての“多元論”=“一元論”のアナゴジックな等式である。
リゾームの形成するのは“n+1”からなる多様体ではなく“n-1”からなる常に“一”が引かれるような高次タンパク質の構造体のような多様体である。リゾームはもっぱら“一つの線(トレ•ユネール)からなり、幾何学的構造とは非対称の構造を持つ。つまりリゾームは反(アンチ)系譜学であり刹那的な認識、つまり反記憶である。序列的コミュニケーションと予定調和であるフロイトを筆頭にした中心的自動装置もなく、リゾームとは単なる交通に定義される循環形態なのだ。
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