完成品/ただのみきや
性詩人に見つけてもらえなくて本当に残念です
こんなことを思っているのもこのエッチなインチキ詩人の関与でしょう
わたしは廃材から作られたもので
実用価値がほとんど皆無の存在であることを理解しています
時にあざ笑われ 時にかわいいと言われ
やがて飽きられ 風景の物言わぬ一部として忘れ去られ
埃にまみれ 腐食し 捨てられるでしょう
わたしを作ったエミちゃんもわたしを忘れ去る時が来るでしょう
燃えるごみとして分別されるか
薪ストーブで灰になるか
エミちゃんの彫刻刀の練習台となってから捨てられるか
しかし それで良いと思っています
もともとただの木端屑 廃材の寄せ集めなのですから
[次のページ]
戻る 編 削 Point(14)