更地を転がれブルートレイン/ホロウ・シカエルボク
 
れば、なんらかの答えが出てくるものだと信じて疑わなかった、だけどそんな確信が幻想であることに気付いてからは、目の前のことにあまり執着しなくなったよ、すべてはきっと風でめくれるページみたいに現れては消えてゆくのさ


あのころは1階にひと部屋の、4階建ての建物が2棟、向かい合って連結されたハイツの、4階の南側の部屋に住んでいた、ロフトがあって…3階に住んでいた水商売の女はコンクリが剥き出しの階段を夜中にヒールで踏みつけながら帰ってきたものさ…まあこちらも別に眠っちゃいなかったからべつに構わないんだけど…ドアをもの凄く勢いよく閉めるんだ、まるでそうすることが運命づけられてるみたいにさ、教団の教
[次のページ]
戻る   Point(1)