ブルーアウト/月見里司
 
なる、経と歌が重
なる、鯨幕と喪服で出来た暗礁にぶ
つかった舟が沈む、波さえ立たない
水面を滑るように葬列は進み続けて
いる、夜はどこも一面の青、


/リフレイン

式はひととおり終わり、精進落としに料理が振舞われていた。
酒が入ってきたのか、あちこちで、偲ぶような笑い声が聞こえている。
まだ、気分がすぐれなかった。
水面を見上げるような、呼吸の苦しさ。
先に帰る、と母に伝え、
詰めたから持って帰りなさい、とタッパーを渡された。

俄雨が降ったらしく、所々に水たまりがあった。あたらしい水の匂い。
従妹が縁側に座って、ブロック塀をじっと睨みつけている。
全く着崩
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