Your sentence/Debby
きの働きなのか、あるいは大磯砂の小気味いい感触のせいなのか、全然わからない。でも、君は何かを思い出そうとしている。気がつけば雨はやんでいて、晴れ間が除いている昼下がりのことだ。君たちにうってつけの言葉が散り散りになって、どこかへ消えていこうとしている。君は今すぐそのむなびれと尾びれを一杯に使って、これをかき集めなければいけない。君に両方の腕はないとしても、その口は残る。いつも何かを失ったと君は嘆いているかもしれない。でも、やらなければならないことはある。君は魚たちのことが好きだ、愛しているなんていう程では全く無いんだけれど、そういうのって、わるくないよな。
ほうれん草のために祈りを
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