Your sentence/Debby
 


君は冷蔵庫の中にしまったほうれん草を、今日でもう五日も放りっぱなしだ。三段棚の一番下、野菜庫の中でれんこんの下敷きになって、ほうれん草は少しずつ茶色くとろけている。君はもちろん思い出すことだろう、その時には食べられる場所、美しい緑色は半分以下になっている。君はキッチンで小さな包丁を片手に、ほうれん草の食べられる場所をより分ける。根っこの赤い部分も綺麗に土を洗い落として食べようと思う。シンクを詰まらせると面倒なので、君はより分けた部分を三角コーナーに投げ込むことだろう。そして、明日が燃えるゴミの火であったことを思い出す。食べ残したアジの骨がいやな匂いをさせているのだから、これは忘れてはいけない
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