夢の中の硝煙の臭いが、ときどき鼻をつくことがある/ホロウ・シカエルボク
 
かの拍子に全弾撃ちつくしてしまったのか?
それともどこかの安ホテルの、ベッドのわきにでも落としてきてしまったのか?
あの、赤い表紙の聖書のわきにさ




だから夢を見る
だから夢を見る
だから夢を見る
だから夢を見るんだ
ずっしりと重い、リボルバーに、弾丸を込め
こめかみに当て、引鉄をひき、ずっしりと死に、クロスを汚し…
その夢にはきっと続きがあるはずだろう
その夢にはきっと続きがあるはずなのさ
きみは顔を洗って、余計な髭を全部落として
清潔な服に着替えてからそのあとのことを目にするのさ
そのあとで起こるすべてのことをその目でしっかりと目撃するんだ
きみは大人
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